快晴の空に連れられて
ドライブ。きままに、普段なら右折左折しているような道をずっとまっすぐ突き進んだりした。途中ふと前の車の行くように、左折し細い道までついてみた。そこで、気の向くままに進めると海が見えてきたのだ。
突然堤防にでて、真っ青な水面が目に入った。久しぶりに見た青さに直感で海だと感じて車を降りた。潮の香りを運んだ風に吹かれ、堤防を降りると一定リズムで波が打ち寄せていた。あんな快晴なもんだから、もうあの青さと言ったら。まさしく別世界であった。あんなに広く、青一面に広がる光景が目の前に映ろうとは。
あのまま整備された大通りを直進していたら間違いなく目の当たりにしなかった世界。どこか導かれたかのようについたあの地に、どうしても運命なんて大それた言葉が浮かんできて、ナビのマップに旗を立てた。
堤防沿いを徐行。深い青浅い青、引いてできた砂浜に、対岸の木々、群れて優雅に浮かんでいる鳥たち、煌々と照らす太陽、上を見上げると一面の青空。
世界は広い。たかが数十キロ離れた県内の世界に、まさに心打たれた。いつかまたここを訪れよう。自分の思い詰めていた目の前の牢獄。少しの時間と気概があれば。ぱっと晴れてくれるお天道様に従えば。私たちはどこへでも行ける。
少しばかり離れた、なにげない光景に
ちょこっとお邪魔してみてはいかがでしょうか。